「自民党改憲案にどう向きあうか」
(清末愛砂、石川裕一郎、飯島滋明、池田賢太編者 現代人文社 ¥1,000円)
自衛隊を9条に書き込むことで何が変わるかを軸に、緊急事態条項の危険性、憲法改正国民投票の問題点などをわかりやすく解説しています。
まず最初に、沖縄だけでなく、日本の基地反対運動の象徴的存在である山城博治さんへのインタビューを掲載しています。山城さんは、「戦争をしない、軍隊を持たないという憲法9条は世界の宝」と言っています。
この本には、第1部から第5部まであり、特に第2部は、自民党が進めている改憲4項目のうち、大きな目玉となっている自衛隊の憲法明記問題を取り上げています。
1954年の創立以来、自衛隊は戦力の保持に違反するか否かが議論されながらも、現実に存在し続けてきました。自衛隊の憲法明記は、そうした現実を単純に追認することを意味するのでしょうか。私たちの暮らしに影響はないのでしょうか。これらの問いに対する手がかりを示しています。
平井美津子著「サンフランシスコの少女像」
“慰安婦”問題に正面から立ち向かう
社会正義と未来を語りあったドキュメント
A5版116ページ、本体1000円(送料実費)。全国の書店、アマゾンなどで取り扱っています。お問い合わせは、日本機関紙出版センター(☎06-6465-1254)へ。 (T)
「高校生と教師の憲法授業」
18歳選挙権が目前 主権者となるために
日本機関紙出版センター 1,700円+税
「18歳選挙権」の実施が目前に迫っています。そこには、改憲の国民投票が、ダブって見えます。
著者の稲次寛(いなつぎ・ゆたか)さんは、兵庫県高教組の専従書記長の任期を終え、4月から高校の社会科教諭に現場復帰。「公務員として憲法擁護義務を負っている」「これからは教育実践を」と張り切っています。これに、神戸学院大の上脇博之(かみわき・ひろし)教授が、「より深く憲法を学ぼう」「キーワードから日本国憲法を学ぶ」を加え、「学問的に補強」して硬軟取り混ぜた“実践の書”となっています。(T)
「福島のおコメは安全ですが、食べてくれなくて結構です。」
かもがわ出版 定価1400円+税
著者は「かたやまいずみ」フリーライター、今回が初作品である。目からうろこの題名だ。安全なら食べてくださいと書くべきだろう。それは、読んでいるうちにわかってきた。
今、福島県はコメの放射線量検査を全袋実施している。そして1年目(2012年度)、福島県全体で1170万袋測ったが、100ベクトルの基準を超えたのが71袋あった。それが、2年目の2013年度、1100万袋以上測って、基準を超えたのが28袋だった。3年目の2014年度では、全袋基準値を下回った。それでも、福島のおコメは売れない。
三浦さんはとにかく焦らない。焦らないで、長い時間がかかるかもしれないが「待つことが大事」だと思っている。「安全だけど、安心して買いたい」消費者がそうなるまで。国や東電との交渉、これからの福島の将来、やることは山ほどある。「どうやって楽しく生きていくかが人生のすべて」と言う。ニコニコしながら話す三浦さんの実践がつまった本である。(K)
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